少し前、高級時計の代名詞であり、ほとんどの男性が一度は腕に巻きたいと切望していたロレックス。「つり革戦争」などと言われ、つり革につかまったときに袖口から覗く時計に大きなステイタスが与えられていました。そんな時代、「つり革戦争」の勝者となるのは、常に憧れのロレックスでした。他にもオメガ、ブライトリング、ホイヤーなどなど、つり革戦争の強者ブランドはいくつか存在していましたが、天上ブランドといわれる、パテックフィリップ、オーデマピゲ、バシュロンコンスタンタンなどは、その控えめなルックスもあってか、その戦争に巻き込まれることは多くはありませんでした。
たしかに、ロレックスやオメガ、ブライトリングの一目でそれとわかるルックスはもてはやされて当然だったのでしょう。
そんな中、パネライというブランドが登場します。
スポーツウォッチでも38ミリ径が主流だった時代に、パネライは44ミリという圧倒的なサイズを持っていて、その存在感は圧倒的なものでした。
あれよあれよという間に、時計界パネライに刺激され、ロレックスをはじめ、あらゆるメーカーが大きなフェイスの時計を作り始めます。
名ブランドと言われていたウブロしかり、天上ブランドであったオーデマピゲですら40ミリアップの時計をこの世に出します。
そして、それらはすべて人気を博し、いつの間にかロレックスすら抜き去る勢いを持ったのです。
その後、独立時計師が立ち上げたフランクミュラー、最高級時計の名を欲しいままにしたリシャール・ミルなどなど、様々なブランドが登場し、従来の高級時計に影響を与え続けています。
ロレックスをしていれば安心という時代から、知る人ぞ知る○○○の時計をしているということが求められる時代になってきたのです。
たしかに、ロレックスもオメガもブライトリングも、三大天上ブランドも今でも高級時計に間違いありません。ただ、それを上回るステイタスを持った高級時計ブランドが数多く周知することになったのです。
人がしている、人気がある、だけではなく、自分の感性で時計を選ぶ時代になってきたのかもしれません。